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掛井五郎さんの話 その3

2022年4月30日

 

 

掛井五郎さんの話、その3でございます。

 

【アトリエ再訪】

今回の展示会に先駆けて、先日、弊社棟梁の野崎が改めて掛井さんのアトリエへ。

 

 

 

 

中庭と玄関からのお出迎え

 

 

鮮烈な青。ブロンズの重い色とのコントラストが印象的です。

 

 

 

 

 

 

 

 

掛井さん不在のアトリエながら、伝わってくる創作欲。

 

 

【アートフィールドウォーキングガイドGALLERY 2021年10月号】

 

 

 

掛井五郎「私の10点」

 

平和への祈り、母への想い、パリの想い出。掛井さん自選の作品10点に、それぞれのエピソードを添えた特集です。

 

 

 

 

特集末のインタビューより一部抜粋

多くの作家の画集などはだいたい巻頭の評論に時のお歴々、著名な美術評論家や美術館長などの文章を掲載しているが、掛井五郎は一切そうした方法はとっていない。
作家を理解している詩人や文筆家や自らの文章を使い、儀礼的な内容の伴わない挨拶文のようなものはない。そうした権威におもねないせいしんは美術館なのでの作品展示にも反映され、
展示の方法が良くないと思えば、展示担当者を痛烈に批判して改善を求めることが多々あったという。複雑な人間関係よりも、美術の本質、作品の在り方に純粋に関わる生き方を貫いてきた。

 

こちらの掲載誌も展示会にご用意しておりますのでお手に取ってご覧ください、

 

 

【絶筆】

 

 

 

 

それは2021の9月の事、Tシャツのデザインの為、掛井さんに直筆の文字を依頼しました。

 

この文字が予期せず、掛井さんの”絶筆”となってしまいました。

 

sans précédent” その意味はフランス語で「破天荒」。

 

2021年の11月、ご自宅にて永眠。享年91歳。

 

 

 

【銀座百点】

 

 

 

1955年創刊、銀座の”かおり”、銀座の文化を表現することに重きを置いて編集される冊子です。
かつての連載からは向田邦子「父の詫び状」、池波正太郎「銀座日記」、和田誠「銀座界隈ドキドキの日々」など沢山のベストセラーが産まれています。

 

銀座百点 No.796 2021年3月号に「銀座そして私の想い」と題した掛井さんのエッセイが掲載されています。

 

 

師と出会った画廊、通院帰りの昼食とお土産、銀座での想い出が綴られています。

エッセイの最後は銀座の話から掛井さんの芸術家、作家としての矜持のお話に。
印象的だった部分を以下、一部抜粋引用しております。

一九六四年に、ブラジルのサンパウロ・ビエンナーレに出品した時に、現地で、或る日本人彫刻家が羽織袴を着て、扇子を持ってオープニングにパーティーに出席していました。
それは、私にとって目にしたくない光景でした。
「日本の芸術家」という事を前面に出していることが嫌でした。
本来、芸術家は国家、宗教、民族という枠組みから自立していないといけない。
つまり、「個人」として表現していないと、いけない。

国家とか民族からもっと自由になって表現しなければ、現代作家とはいえない。


もう時間はありません。
どこまでできるのか、彫刻家、掛井五郎、みていてください。

 

 

【驚き】

 

 

初めて掛井さんのアトリエに足を踏み入れた時に、真っ先に目に飛び込んできた作品。

ビビッドなオレンジの色、中心に描かれるのは表情全体で迫りくる驚きの顔。

 

 

この夏の新作Tシャツでご用意しました。その名もODOROKITシャツ。

インパクトばっちりな夏の1枚に如何でしょう。

ODOROKI S/ST 8,800-

 

 

【掛井五郎展】

 

 

さて、ブログ3回に渡って、掛井五郎さんの様々なエピソードをご紹介しました。

実際にご挨拶した時は朗らかで柔らかい方という印象でしたが、掛井さんが語られたこと、掛井さんについて語られたことを紐解くと、その明朗さの中に秘められた激しさ、強さ、実直さが感じられます。

 

 

 

 

 

 

きっと、そのどれもが掛井さんのひととなり。今回の展示会に集まった作品群を見ているとそう思います。

 

 

 

 

 

ブロンズの小品は是非お手に取ってご覧ください。人の手が入ることでつやが出て育っていく作品です。

 

 

 

29日より始まった展示会、ティグルでは5月8日まで開催。巡回でドラゴでは5月14日からの開催となっております。
いつもと少し違うティグルとドラゴの空間、5月のお出かけに是非お立ち寄りくださいませ。

 

TIGRE BROCANTE イチノセダイ

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